四十肩・
五十肩

四十肩・五十肩は40代50代に発症することから、そのように呼ばれておりますが、症状は同じものです。
同じ肩に現れる症状として肩こりがありますが、肩こりは筋肉が緊張して硬くなっている状態を指し、四十肩・五十肩は筋肉が損傷することによって痛みが発生している状態を指します。
おもな原因には、次のようなことが挙げられます。

●不良姿勢

四十肩・五十肩のおもな原因は不良姿勢だといわれています。
姿勢が悪いと重い頭を支えている肩まわりの筋肉には大きな外力が加わりやすくなり、筋肉が疲労してしまいます。
筋肉が疲労して硬くなれば損傷を起こしやすくなり、日常の些細な動作でも損傷の引き金になってしまいます。
ステップ障害とかインピンジメント症候群などともいいますが、動作の反復で外力が蓄積されてしまい、最終的に四十肩・五十肩として症状が現れるようになります。

 

●誤った肩や腕のつかい方

誤った肩や腕のつかい方がつづけば、四十肩・五十肩につながります。
例えば、物をもつときには肘から荷物を持ち上げる方が多いでしょう。
そうすると、肩や腕に過剰な外力が加わることになり、筋肉がパツンと切れてしまいます。
また、手首は緩んでいながらも腕が緊張しているというように、腱や筋肉の連携が取れていない状況のままものを持ち上げてしまっているため、損傷を起こすこともあります。
こうした誤った肩や腕のつかい方を繰り返すほど損傷するリスクは高まります。

 

●肩のつかわなさすぎ

日頃から肩をつかわないでいれば、肩まわりの筋肉は低下してしまいます。
筋力が低下すれば硬くなり、損傷しやすい状態になります。
そのため、日常の些細な動作でも肩にとっては大きな外力になってしまい、四十肩・五十肩を引き起こします。

四十肩・五十肩の症状には個人差があります。
それぞれの痛みや症状の特徴は次の通りです。

●二の腕の真ん中あたりが痛くなる

四十肩・五十肩では、二の腕の真ん中あたりに痛みが現れるという特徴があります。
腕が痛くなるというのは、四十肩・五十肩でも最初の段階の症状です。
120度ぐらいまで腕があがるようであれば日常生活に問題はないといえます。
しかし、90度くらいになれば日常生活に支障が出てしまい、つらくなるでしょう。

 

●運動痛

運動痛は四十肩・五十肩のつらい症状の特徴です。
腕をあげる動作で痛みが強く現れます。
痛みにより腕をあげることができず、日常生活に支障をきたすようなこともあるでしょう。

 

●夜間痛

四十肩・五十肩の症状でもっともつらいと考えられるものが夜間痛です。
夜間痛とは、夜から朝方にかけて生じる痛みです。
痛みで夜間に目が覚め、そこで少しでもまた動かすことで痛みが悪化することもあります。
痛みがひどい場合は、医療機関をすすめることもあります。

四十肩・五十肩の痛みはつらく、思うように動かせなくなることもあるでしょう。
症状が現れた場合には、次の方法でセルフケアを行いましょう。

●痛みが強いときは安静にする

四十肩・五十肩の痛みが強いときには、動かさずに安静にします。
無理に動かせば炎症が悪化してしまう場合があるからです。

 

●痛みがある間は湿布を貼る

痛みがある間は、湿布を貼ることもケアのひとつです。
冷湿布を貼れば炎症が抑制され、痛みの緩和が期待できます。
お札だと考えて痛む間は貼っておくとよいでしょう。

 

●痛みがあっても動かすようにする

激しい痛みではなく、多少の痛みであれば動かすようにすることが大切です。
肩が痛むから動かさないでおこうというのではなく、適宜に身体を動かすようにすれば自然と運動になります。
例えば、トイレ掃除など家事を一生懸命したり、車のワックス掛けをしたりすれば、自然と肩を動かして運動していることになります。
動かしていれば筋肉の拘縮も緩和され、早期回復につながるでしょう。
ただし、動かすようにすべきなのは50代くらいの方までだといえます。
それ以降の高齢の方の場合、無理せずに優しく動くことを心がけてください。

四十肩・五十肩は一度症状が緩和しても、時間が経てば再発してしまうというケースも少なくありません。
四十肩・五十肩が再発しないように日頃から予防を心がけましょう。
また、四十肩・五十肩を経験したことない方も、発症する前に予防から始めてみてください。

●ぶら下がり運動

健康器具や公園の鉄棒などを使用し、ぶら下がり運動をすることは四十肩・五十肩の予防につながります。
ぶら下がり運動をすれば、肩や腕の筋力が鍛えられるため、外力に強い肩や腕をつくることができます。
また、肩がしっかりと上がるため、柔軟性も維持されて四十肩・五十肩の発症リスクを下げられると考えられます。

 

●タオルでストレッチをする

タオルの両端を持ち、ぐっと背伸びをします。
そうすると、肩や肩甲骨の硬くなった筋肉がほぐされ、四十肩・五十肩の予防につながります。
お風呂に入って背中を洗うタイミングなどで行えば、毎日タオルストレッチをすることが習慣になります。
慣れてきたら、背伸びした状態で左右に動かすなどしてアレンジしてください。
また、デスクワークなど長時間同じ動作がつづくような場合にも合間時間にタオルストレッチでこり固まった肩まわりをストレッチすることをおすすめします。

 

●不便を楽しむようにする

身体を動かすようにすれば血行が促進され、筋肉量や柔軟性を高めることにつながります。
身体を動かすには、不便を楽しむようにしましょう。
便利な世の中になってしまっていますが、床掃除を機械ではなく手で行うなどすれば肩の運動になります。
日常の家事を少し大げさにすることを心がければ、不便を楽しみながら運動につなげることができます。

 

●姿勢を正す

四十肩・五十肩は、不良姿勢によって肩に加わる外力の積み重ねが原因で生じます。
つまり、四十肩・五十肩を予防するには姿勢を正すことが重要です。
日頃から背筋を伸ばし、足を正しい位置に置いて立つようにしましょう。
デスクワークの際には、巻き肩やうつむき姿勢にならないように注意してください。

当院では、まずしっかりとカウンセリングを行い、次に判別に必要な検査と施術の内容を説明したうえで開始します。
関節の可動域、痛む場所を特定していきます。

①四十肩の場合

当院の定義としては、運動した後に負傷して治りが悪く、肩が痛い状態を四十肩としています。
断裂、損傷している部位をある程度特定して、そこに超音波と微弱電流を流し、さらに運動療法とEMSで筋力を増強する施術を行います
また、若年でもSLAP損傷により、肩に痛みを感じることがあります。
たとえば野球での投球、バレーボールでのスパイク、テニスでのサーブやスマッシュといった、手を頭上へ上げるオーバーヘッド動作を繰り返すことで発症することが多いです。

※SLAP＝Superior Labrum from Anterior to Posteriorの頭文字
※SLAP損傷とは：上腕二頭筋腱と関節上腕靭帯がつながっている関節唇上部に引っ張られる力やひねられる力などが作用することで、関節唇が傷ついたり、裂けてしまったりすること

②五十肩

当院の定義としては、とくにおもたる原因に心当たりがなく、日常生活において肩が痛くなったり可動域制限が出たり、夜間痛が出たりする場合を50肩と定義いたします。
疼痛点に対して微弱電流と超音波で硬結、固着している部位にアプローチします。

③ストレートネック、巻き肩、猫背がある場合

この場合は施療する期間が長期になるケースが多いです。
また身体の使い方によって誘発されることが多いので、身体の使い方や姿勢矯正もいたします。

④筋力低下による場合

無理しない程度の運動療法、EMSによる筋力アップ、またはサプリメントなどの栄養指導を行います。